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データ2.市庵薫
赤色腕時計
紺色ブレザー
黒髪ストレート

《開始》

「この馬鹿者が!」
「って!」
「力を見られたのはまず仕方ないとする!しかしな!何故それを早く言わない?!もっと早く言えば、なにかしらの対策はできたはずだ!」
「言おうとはしたさ!けど、そのあとあの化け物がきたりさ、部屋に帰ったら疲れて玄関で寝ちゃったりでさぁー。」
「玄関で寝たのかお前!?」
「おかげで今日はすこし身体が痛いよ」
「あとで湿布貼れよ……じゃなくて!これを一体どう説明すればいい?」
「会議でしょー?んーどうしよっか」
「わかった、お前に全てをまかせる。俺は知らないぞ」
「あーわかったわかった!!考えるから見捨てないでよ菊寺!」
「だーもう引っぱんな!どうするんだ?」
「まぁ……あれだ。二つにひとつ、だよねぇ。」


「いた、苑蘭」
その声に、ん?と振り向く前に、襟をぎゅーと掴まれてそのまま引きづられる。
「え、え?なになに……??!」
「いーから来なさい。」
何者かは分かるのだけれど、なんか、その、怒ってません?私なにかしました?
そのままずるずるとひきづられて、辿り着いたのが図書室だった。図書室のなかに文字通り放り込まれ、ピシャッとその人は扉を閉める。顔がとても……般若のごとく引きつっていた……。
「……桜花、わたしなにかしたかな……っ?」
桜花。松野桜花。同クラで仲もすこぶる良い友達であり、そして図書委員部隊隊長である。同級生で委員部隊隊長というのはこの子を含め3人いるわけだが、これはかなり貴重なことらしい。
桜花はこちらをジロリと睨みながら……無言だった。
「……お、おーかー……?」
「……苑蘭。あんたしばらくここにいなさい。」
口が開いたと思えばなにを言うのだこの人は……。
「他の委員隊長があんたに色々問い詰めようとしてる。」
「は?」
「あの馬鹿阿保屑野郎について色々あんたに問い詰めようとしてるの!」
おおう、薫、ひどい言われようだけども確かに当てはまるよ。馬鹿で阿保で屑。……で。
「なんで私っ!?」
「朝、放送委員とこのスナイパーが来たんだろう?それと同じだ。」
……幼馴染だからってなんでもしってると思うな……このやろう……。
「というか、桜花はそこらへん、気にならないの?」
「だって知らないんでしょう?」
なにを言ってるんだ、みたいな目をされて言われ、私も、この人なに言ってんのという顔をした。
「……嘘ついてる可能性は考えないの……?」
「嘘?あんたが?できんの?」
冗談だろおい。私はそんなに嘘つきに向いてないか。そんなこと……ない…………と思う……たぶん…。
「で、少なくとも会議終わるまではここで匿ってやるってこと。んなの、会長に言われずともやってるての!」
ああ、友よ!その優しい心に万歳!

委員部隊には、適当にざっくり分けると、二つのグループに分けられる。生徒会に良心的か、そうでないか。図書委員部隊は前者だ。特に図書委員部隊は生徒会に忠実であり、なにか、委員部隊と生徒会にまつわる大事が起これば、問答無用で生徒会側につく。それはかなり昔の代にまつわる出来事がきっかけらしいが、詳しくは知らない。


桜花が会議に行き、暇だったので適当に本を引っ張り出して読んでみる。独裁者に立ち向かう反乱者たちの話であった。…つまらん。
「お茶ですよー、苑蘭ちゃん」
本から顔を上げると、二つ結びの三つ編みをした少女がふらふらとやってきた。
「真帆ちゃん」
名前を呼ぶと、真帆ちゃんは、にこーと笑ってお茶を差し出した。
斎藤真帆。図書委員部隊No.3であり、同クラではないがよく桜花と一緒にいるので、彼女ともよく話す。
「苑蘭ちゃんは大変ですね。相も変わらずに」
眼鏡をいじりながら真帆ちゃんは言った。真帆ちゃんはかなり目が悪いらしく、常に度合いの強い眼鏡を掛けている。
「野郎のせいでね……」
「市庵くんですか。でも、今回ばかりは彼も呑気でいられないのでは?」
あいつが?呑気でない?この状況で?
………………………はっ。

天変地異が起こるよりもありえない。

「では、出席を確認する。」
教室の前に座った生徒会長が、教室にいる人々を見回して言った。
「図書委員隊長、掲示委員副隊長二人、美化委員隊長共に副隊長、飼育委員隊長、放送委員隊長、風紀委員隊長、体育委員隊長共に副隊長、生徒会書記、以上11人。また、生徒会長である自分、そして。」
生徒会長が、自らの横に座る少年を見る。
「今回の会議の対象、市庵薫。以上13名の会議の参加を確認する。」