【pattern7・鞠桐白雪】
(10月31日・朝)
「……んー、」
ぴぴぴ、とあかるい電子音が鼓膜を叩く。しばしもぞもぞ布団の中でうごめいて、目覚まし代わりのガラケーを叩く。めきょっという音がしたような気もするけれど、まあ気にしたら負けなのです。ね。
「……はっ!今日ハロウィンじゃん!」
ぼんやりしていた意識がとつぜんに覚醒する。そうだ今日はハロウィン。つまりわたしにいわせればお菓子の日だ。お菓子くれなきゃ悪戯するよ、なんて、どこのだれが考え出したんだろう。神様ですか!人間業とはおもえない。幸福のかたまりであるお菓子が行き来するんだよ、想像がきらめく。
「そうとわかれば、」
高速で着替える。いつもどおり、制服にジャージをはおり、左手首にリストバンド。そして今日はとんがり帽子を深くかぶる。
さてさてそれでは、お菓子と言う名の幸福をせびり…じゃなくていただきに行きましょう!
わたしは部屋のドアをあける。《雛翼》のお仕事なんてたまにサボるくらいは大目に見て欲しい。知らないうちにうかんでいた笑みを自覚した。気分は上々、さて、行きますか!
(Trick or Treat!)