天使と悪魔と阿宮さんb
「えーと、再婚か?」
女子は首を横にふる。
「…生き別れの兄との再会とか?」
女子は首を横にふる。
「…ゲームの話じゃねぇだろな?」
ちがうよ、と女子は答える。
「じゃあなんなんだよ…」
「1年前…の………夏休み?に、家に帰ったら、お兄さんが、いた、的な?」
「タイム、お前ちょっと黙ってろ」
一旦2人は席を立ち、窓側へよって肩を組んでひそひそと話し始める。
つまりは、天使と悪魔の緊急会議が始まる。
「だめだ、前から薄々感じていたが、あいつ超話しづらい」
「そもそも僕らのこと、ちゃんと信じてるのかな、あれ」
「しらねぇよ…なんだよ兄が増えたって…なんなのあいつ…本当にあいつが知ってんのかよ…」
「でも、奴の匂いがわずかに香ってくるから、彼女の近くにいる可能性は高いって確認したでしょ?」
「じゃあなんだ、あいつの…兄?がそうだってことか?」
「確かめてみる価値はあるよ」
会議を終えた2人はうなづきあい、そして元の席に戻ろうと後ろを向いた。
「ていねぇじゃねぇか阿宮!」
「あ、置きがきがある」
チェス盤の横に、手のひらサイズの青い付箋が置いてあった。
ぴっとそれを悪魔の男子が机から剥がす。へぇ、と薄く笑い、そしてそれを天使の男子に見せた。
『おなかすいた かえる あみや』
天使の男子は頭を抱えた。
「俺あいつ苦手!!」
「そう?面白い子じゃない?」
「くっそ…明日は逃さねぇ…」
「ふふ…その必要は無いみたいよ天使」
「ああ?」
疲れ切って椅子に座り込んだ天使の男子に、悪魔の男子は付箋の裏側を見せた。
「…はぁ?」
そこには、あまり綺麗とは言えない字で1つの住所が書かれていた。