11

体ごと後ろに振り向くとともに、首筋に当てられたナイフを素手で掴む。
「……、」
白い不死は少し目を見開かせた。ナイフごと引き寄せて、
「はぁっ!」
足蹴り。
「っ!」
手から血が出ていたが、気にしない。武器、ナイフを手に入れた。
しかし、相手は不死。これで勝てるわけがなかった。視界の端で、黒髪不死も壁に寄りかかってはいるが復活しているのが見えた。かといって、ここで後ろを向いて逃げるもの危険だ。ーさて、どうするか。
「なんで……」
「……なに?黒髪不死くん」
「……なんで、あんな人たちのために…」
なんで?……全く!なにを言っているのだろうこの不死は!
「……なんでって、そりゃ仲間だから当たり前でしょう?仲間のために戦わない人なんて…………まぁ、いるんだろうけど、わたしはみんなのために戦ってるつもりだよ!みんなが、わたしのことを思ってくれてるように。」
「み、んな……」
白い不死が、首をかしげた。
「みん、な、て……だ、れ?」
「そりゃ、ボスさんとなーくんと……トキくんもきっとそう!…たぶん……」
いやいや、絶対そうだよ…。え、そうだよね?トキくん??不覚にも、敵の前で動揺してしまった。いや、わりと重要なことであるのだが。が、
「それ、は……」
白い不死は、そんな隙を突くことはしなかった。かわりに、わたしのことをじぃ、と見つめた。
「……、あ、ああ…」
そして、小さく呻いた。つづけて、
「シ、キ……パター、ン、4」
「!?」
なんの暗号だろうか。身構える。シキとは、黒髪不死のことだろう。
ナイフを前に突き出し、白い不死と距離をとる。しかし予想に反して、なにもこなかった。かわりに、シキという黒髪不死は顔を歪ませているのが見えた。なに?パターン4?作戦ではない?でも他に……。
「あな、た、は……そう、そ、いう、こと…ね」
「ちょ、ちょっと……なんのこ、と……」
…あれ……?
わたしは、白い不死の顔に既視感を覚えた。……いや、目……?あの、わたしを見る目に……。
ちくちくと、頭が痛い。なんだ、これは……?どこで、わたしは、それを……?
「あなたは、」

「レウ!!」

痛む頭が、すぅ、と軽くなる。大好きな声。
「下がって!」
その声とともに、ドアが吹っ飛ぶ。そのドアを、わたしはギリギリで避けて、床にどっと倒れこむように転がる。ぱっと顔を上げると、ドアを吹っ飛ばした人……大好きな人がいた。なーくんが、いた。
「なーくん!」
「レウ……」
なーくんは、にっこりと笑った。ああ、なーくん!やっぱり、好き好き同士の間にはテレパシーというものが伝わるんだね!わたしがぱぁっと顔を輝かせた、そのとき、
「レウッ!!」
そう、叫んだのは、
「え?」
白い、不死……?

バァン!

銃声。静寂。
「…え……」
「レウ、」
銃口が、わたしに向いている。あれ、おかしいな……なんか、血が…あれ……ねぇ、一体、これは…なに?……ねぇ、
「な……くん?」
なーくんは、

「おやすみ、レウ」

大好きな人は、銃を構えて、にこりと笑う。