02
降りかかる水が思ったよりも熱くて、きゃひ、と声を出した。
「あーらーらー髪がぁー」
わたしの髪はもともと茶髪なはずなのに、一部が赤黒くなっていた。
「やりすぎたあー」
ゴシゴシとシャンプーで髪を洗い、綺麗に落とせた汚れをみて満足した。シンプルな短パンとTシャツを着て、髪をタオルでごしごしふきながらリビングに出ると。
「ーーやぁ、レウ、おかえり」
「ふぉ、なーくんだ、おー、ただいまー!」
ソファに座っていたのは、好き好きのなーくんだった。黒髪に少しくせ毛があり、文庫を読んでいたなーくんは、ソファから立ち上がった。
「レウ、髪の拭き方、ちょっと雑だ。貸して」
「うえーい」
あっさりと髪拭き役をなーくんに任せる。ぽんぽんと優しく髪を拭いてくれるなーくん、大好きですです。
「今日の判決は?」
「即、しょばつー!」
「お疲れ様」
パタパタと手を振ると、大人しくして、と制された。はあい。
「今日もトキくんサイコーだった!」
「おーまじで。なにしてたの?」
「わたしに言われるまで、二文字単語しか話さなかった」
「さすがトキくん、面白いねー」
でしょーと笑うと、向こうも笑ってくれた。
「はい、これぐらいにして、ご飯食べよう。作ったから」
「きゃー、なーくんすきー」
すきありという具合に、背伸びしてちゅっとします。お礼ですでーす。なーくんは頭を撫でて、にこっと笑ってくれた。うわーい。
ついでにトキくんのストーカー相手はこの人です。
え?そうだよ?わたしの彼氏くんです。大好きすきすき。らぶー。
「レウ?ご飯用意できたよー?」
「はあーい」
パタパタと走り寄り、なーくん特性ドリアを机に運ぶ。
「じゃ、」
「「いただきまーす」」
「あ、忘れてた」
ぴよん、と椅子から降りて、窓をガラガラと開ける。うわっと外の少年が転げた。
「トキくんの分もあーるよっ食べよう」
「…………」
「たーべーよーおーよーー」
無言で立って去ろうとするトキくん。
「トキくん、ドリア余っちゃうんだけどなー」
なーくんがいう。笑顔で。
「いっ……いい」
パタパタと走り去っていったトキくん。んんんんん、
「トキくん、かわいいい!おもしろおおい!!」
「ねー」
だよねっなーくんわかってるう!
じゃ、三人分のご飯を二人で食べましょうか、となーくんが言うので、とびきり元気にうん!と言っておいた。
そうして今日も、裁判所【庭】の世界は1日を終えるのでありましたーと。